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超音波探傷試験とは、超音波パルスを試験体内部に伝播させ、きずや底面などの反射源に当たると戻ってくる性質を利用し、試験体の内部きずを探す試験方法です。
超音波探傷試験は「やまびこ」や「潜水艦のソナー」と同じ原理を利用しています。やまびこは前方の山に向かって声を出すと、山に当たった声が跳ね返って聞こえてくる現象です。
超音波探傷試験では、固体上に置いた超音波探触子を叩くと、その叩いた音が超音波として固体の中に入っていき、反対側にあるきずに跳ね返って戻ってきた音を拾い測定します。
金属材料(圧延材・鍛造品・溶接部・圧接部)、非金属材料、コンクリート、圧力容器、タンク、塔槽、熱交換器、パイプライン、航空機用エンジン、ロケット、車両、橋梁、船舶、建築(鉄骨)
※オーステナイト系ステンレス溶接部、鋳造品、銅、鉛や粗粒材などは超音波が減衰してしまうため、試験が困難な場合もありますが、技術の進歩により適用事例が増えています。
超音波厚さ測定とは、超音波パルスを試験体内に伝播させ、超音波が往復する時間を測定し、その伝播時間から厚さを算出する試験方法です。物質ごとに超音波の速度が決まっているため、そこから計算をして厚さを算出することができます。
超音波の測定では、試験体に対し垂直に超音波を入射して計測する「垂直探傷」と、斜めに超音波を発信して探傷を行う「斜角探傷」の2種類がありますが、厚さ測定では「垂直探傷」を用います。
超音波厚さ測定の使用例としては、内面が腐食する可能性のある製品の残存肉厚を測定する「腐食検査」や製品や部品の肉厚が仕様値以内に収まっているかどうかを確認する「製品検査」などがあります。
超音波厚さ測定では、適用困難なものは比較的少ないです。金属材料では返ってくる時間を測定するため、減衰しても返ってくれば数値として算出できるためです。
金属材料(圧延材・鍛造品)、非金属材料、コンクリート、圧力容器、タンク、塔槽、熱交換器、パイプライン、航空機用エンジン、ロケット、車両、船舶
X線またはγ線は透過能力が大きく不透明体(空気など)でも透過します。放射線透過試験は、この性質を利用して内部のきずや内部構造を調べる試験方法です。
放射線は試験体を透過する際、内部にきずがある部分や薄い部分では、健全部や厚い部分に比べてより多くの放射線が透過し、フィルムをより強く感光させます。そのため、放射線の透過量が多い部分ほど黒く写り、濃淡差のある透過写真ができます。この透過写真を観察することで、試験体の内部きずの状態や内部構造を確認することができます。医療のレントゲンとまったく同じ原理です。
放射線透過試験はX線作業主任者(γ線の場合はγ線透過写真撮影作業主任者)という資格がないと作業を行うことができません。また、透過写真を判定する免許も必要になります。
金属材料(鋳物・溶接部・圧接部)、非金属材料にも適用可能、圧力容器、タンク、塔槽、熱交換器、パイプライン、航空機用エンジン、ロケット、車両、船舶、建築(鉄骨)
磁粉探傷試験とは、磁石に強く引き付けられる試験体を磁化させた際、表面または表面近傍の磁束の通過を妨げるきずが存在すると、外部に漏洩磁束が生じ、そこに吸着された磁粉模様から表面または表面近傍のきずを探す試験方法です。
磁粉探傷試験では、試験体を磁化した後に磁粉(小さな鉄粉)をまきます。磁粉は蛍光物質や着色料でコーティングされているため、そこにブラックライトを当てて明暗のコントラストを作ることで、小さなきずも目視で確認することができます。
検査の性質上、試験対象は磁石に吸引される強磁性体にのみ適用可能です。
圧力容器、タンク、塔槽、熱交換器、パイプライン、航空機用エンジン、ロケット、車両、船舶、建築(鉄骨)、橋梁、溶接部(鉄)
浸透探傷試験とは、表面に開口しているきずを容易に判別できるようにするために、浸透液により拡大した指示模様を検出し知覚する試験方法です。
試験体の表面に赤色や蛍光色の浸透性の高い液体(浸透液)を塗布し、きずに浸み込ませます(毛細管現象)。次に表面の余剰浸透液を取り除き、きずにのみ浸透液が残った状態にします。その後、現像液という液体を表面に塗布すると、きずに残っていた浸透液が吸い出されて表面に現れます。表面に吸い出された浸透液は、きずの大きさの数十倍になるため、小さなきずも目視で簡単に確認することができます。
磁粉探傷検査は表面及び表面近傍のきずを確認することが可能なため、穴が開いていなくても表面の直下の欠陥であれば確認できますが、浸透探傷試験は開口していないと検出ができません。
浸透探傷試験は、スポンジのような多孔質材料や木材のように吸湿性の高い材料でなければ、金属でも非金属でも適用可能です。
圧力容器、タンク、塔槽、熱交換器、パイプライン、航空機用エンジン、ロケット、車両、船舶、建築(鉄骨)
目視検査とは、文字通り「人間の目で見て行う検査」です。もっとも身近な検査方法であり、試験体の表面のきずや腐食、形状不良などの状態を判断する試験方法です。
目視検査は非破壊検査の基本中の基本です。特殊な検査機器を使用しないため、一見簡単そうですが、検査員の力量で結果が左右される難しい検査です。
非破壊検査は、まず目視検査を行い、その後に機器を使用した検査を行うことが一般的です。人が接近不可能な狭所などでは、カメラや内視鏡などの機器を使用して検査をする場合もあります。
材料・機器・構造物などすべてに対応可能
蛍光X線分析とは、測定部位にX線(一次X線)を照射し、発生する蛍光X線のエネルギーによって材料の元素構成とその含有率を数値で確認する試験方法です。
30種類以上の元素を識別可能で、各種鉄鋼材、ニッケル合金、チタン合金、アルミ合金など様々な材料に対応できます。
X線を試験体に照射すると、物質を構成する元素のエネルギーを持つ蛍光X線を放出します。
この際、発生する蛍光X線のエネルギーを測定することで、含有されている元素を分析します。
金属材料(圧延材、鋳物、溶接部)機器・構造物などに対応可能
硬度測定とは、読んで字のごとく硬さ(硬度)を計る試験です。
硬度とは物質、材料の特に表面の機械的性質の一つであり、材料が異物によって変形やきずを与えられようとする時の物体の変形しにくさ、物体の傷つきにくさのことです。
例えば、鉄と鉄を溶接する際、高い熱を加えると材質の組織が変化します。材質の組織が変化すると、柔軟性がなくなり割れやすくなります。
その際、もろくなった材質を焼鈍(しょうどん)という工事で元の材質の組織に戻します(焼鈍工事)。焼鈍工事によって材質が基準値の硬さに戻っているかを確認する際に硬度測定を行います。
また、熱を使うプラントなどでは、経年劣化でもろくなっていないかを硬度測定で確認することもあります。
材料・機器・構造物などに対応可能
焼鈍工事とは、一定時間の熱を加え、内部のひずみ除去・応力除去・組織軟化・組織回復などを施す熱処理工事のことを指します。
目的に応じて多くの種類・方法(応力除去焼鈍・中間焼鈍・拡散焼鈍等)が存在します。
材料・機器・配管・構造物などに対応可能
非破壊検査業界は、技術者協力の為、技術者を派遣します。
また、高圧ガスの認定の知識を有する技術者を派遣することもあります。
製造や鉄鋼メーカーへ品質を管理する技術者を派遣します。
例えば、溶接部の長さが規定値で収まっているか、目視検査をして溶接のできる状態になっているかなど、品質を保つために管理する役割を担います。
お客様のビジネスパートナーとして、お客さまの経営課題、お客さまのビジネスを理解し、価値を高められる IT ソリューションをご提供します。